「介護士視点の在宅看取り」介護士だから担うことができる役割を徹底解説

監修者

介護福祉士養成校に2年間通い、介護福祉士取得後特別養護老人ホームに就職。5年間「なぜこの介護をするの?」「今日より明日の方が良いパフォーマンスができるように」をモットーに仕事をする。そうする中、「施設入居までの在宅生活を知りたい。」と思うようになり、在宅の介護支援専門員となる。担当した方と関係者も含め少しでもより良い生活を出来るように日々技術・知識を高めるため貪欲に学び続ける。

在宅介護での看取りのイラスト | イラスト無料・かわいいテンプレート自宅での看取りまでの流れで説明した通り、実際自宅で看取ってもらいたくても、実際は看取ってもるあことができないことが多くあります。しかし、「自宅での看取りができるときには、往々にして介護職員のちからを借りることが多々あります。正直に言うと、看取りのケアの場面では医療職主導であることが多いですが、そんな中でも介護職だからこその気づきや、支援方法がありますので一緒に学んでいきましょう。

在宅看取りで介護職に期待されること

身体的支援

主に三大介護(入浴・排泄・食事)の介護をすることが多くあります。家族が高齢である・独居・独居で家族が遠方である・家族の介護力が低い等様々な理由により、身体的な支援をする人がおらず、介入することになります。しかし、主疾患によっては身体的支援が必要になるタイミングが違います。

生活支援

主に家事の支援をします。掃除・洗濯・買い物・調理などの支援をしていきます。身体的な支援をすることする前に、こちらの生活支援の入ることが多くあります。このタイミングで本人・家族と信頼関係を築くようにします。

家族への支援

医療福祉関係であれば仕事上、人が亡くなることを聞くことや、見ることがありますが、一般的にはあまり体験することがありません。肉親がどんどん弱っていく姿を目の当たりにすることはとてもストレスになっていきます。その家族の気持ちを聞く機会が多くあります。

医療職が行うサービス

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基本月2回往診し、本人の状態を確認し必要に応じて処置や訪問看護師の指示を出す・必要な薬の処方をしていきます。今後身体的にどうなっていくのか?本当の自宅での看取りでよいのか?などを適宜確認していきます。

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主治医の指示で1/w(週1)ぐらいから訪問開始します。最初はバイタル測定や服薬の確認などから始め、信頼関係を結んでいきます。必要に応じて、排泄ケアや点滴をしたりもします。状態観察の結果を主治医に連絡をし連携を密に取っています。

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主治医が処方箋を出し、かつ誰も薬を取りに行くことが難しいときや、麻薬などあまり取り扱っている所が少ない薬を処方している場合など理由は様々ですが、薬剤師が自宅まで薬を持っていき説明をしてくれます。

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案外分かっていない

家族は往診医や訪問看護師さんから言われていることを案外分かっていないのに、分かったように返事をしてしまうことが多々あります。

なんと聞く?

どの様なことを知っていれば分かっていない家族の気持ちを察知できるのでしょうか?看取りの際は部屋に往診の日・訪問看護の日などが書いています。ヘルパーとして訪問して時に、「先生来たんですね。どうした?」と一言聞いてみるのもいいかもしれません。どのような職種が関わっていて、どのような役割をしているのかを把握しておきましょう。

分かっていなければ

本人・家族が分かっていない時はサービス担当責任者(サ責)に報告し、ケアマネに連絡しましょう。そうすると訪問看護師や医師が再度説明をしてくれたりします。このように分からないまま最期を迎えていくと、どんどん不安・恐怖が増していきます。そんな気持ちを聞き取れるのは私たち介護職だからこそだと思います。

介護士に必要な知識・技術

医療的知識

医療職との連携が多く必要になるのは明白です。人が亡くなるまでの呼吸の変化や、排泄の変化は知っておきましょう。私たち介護職が知らないと異常の察知が遅れることもあります。

身体介助の技術

最初は動いていた身体も徐々に動けなくなっていきます。寝たきりの人のオムツ交換やベッド上での洗髪、口腔ケア、食事介助など質を高め、本人が少しでも楽なように自律に繋がるように技術の習得が必要です。オムツ交換であれば体力も低下している人を何度も体の向きを変えることは・・・という感じです。

コミュニケーション技術

本人・家族ともに自宅で過ごす時間が多くなり、話す機会が減ってきます。介護に関係ない話を傾聴している時にふと、不安な思いを言葉にしくれる。今後どうなっていくのか?など恐怖心を打ち明けてくれることがあります。介護職だからこそ生活に密着した話から本当の心を聞けることがあります。

情報収集

往診医・訪問看護師などの事業所も連絡ノートを作成していることもあります。ベッド周りや電話のところに緊急時の連絡順が表にして記載されているものが貼っていることもあります。そして家族の写真が飾っていたり、今までなかったものが置いてあったりと情報が沢山あります。小さな変化も見逃さず情報を得ていきましょう。そして、ヘルパー自身もノートなどで情報発信していくことも大事です。医療的なことであれば、ケアマネに許可を得て直接訪問看護師に連絡を取り指導してもらうこともいいでしょう。

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ここまで何度も医療職との連携のこと伝えてきましたが、自宅での看取りに関しては沢山の事業所が関わります。(以前の記事で紹介済み)まずは、どのような職種が関わり、どのような役割があるかを把握しておく必要があります。そして、介護職は医療への連携がとても苦手としています。関わりを持とうとしなければいつまでたっても苦手なままです。自宅での看取りに介護職として関わることになれば必須と言えるでしょう。ケアマネに許可を得て直接やり取りをして、積極的に連携を図り横のつながりを持つようにしましょう。医療職は介護職員の専門的な情報を欲しています。

まとめ

今回は「自宅での看取りにおける介護職だからこそ担うことができる役割」を仮説していきました。医療的知識、主に人が亡くなるまでにどのような変化があるのかなどの知識が必要である。身体介護では本人にとって楽な介助方法が必要である。と解説もしてきました。そして、介護医療連携の重要性とその為には介護職の専門性が必要であることを解説してきました。今後重要性を伝えてきたこと、さらに深堀をして一緒に知識・技術の向上をしワンランク上の介護職員になっていきましょう。