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看取りの場の希望と現実

引用:厚生労働省看取り参考資料
引用先:ワムネット
このように自宅で最期を迎えたいと思っている人が約55%に対して実際自宅での看取りが行われているのは12%ほどであることが分かります。なぜこのような現状になってしまっているのか?本当に自宅での看取りは難しいのか?実際自宅で看取られている人がどのように看取りをされいるのかなどを解説していきます。
在宅看取りとは
自宅で、病気や老衰により終末期を迎えた方のそばで世話をし、最期を見届けること。この「在宅看取る」にはいくつか越えなければならいハードルがあります。
これがないとできない
「 人生の最終段階をどのように、どこで過ごしたいか 」について、親族間で意思を共有し、意思を決定していくことが大切です。ここで大事なのは「看取られる側の気持ち」と「看取る側の気持ち」が合致していることです。
本人の希望
最初の資料でもあったように、約55%の人が自宅での最期を希望していることが分かります。逆に言うと、約45%が自宅での最期を望んではいないということです。
家族の希望
本人が最期の時に自宅での看取りを希望をしているが、看取る側が看取るつもりがなく、「最期は病院で」と思っている。看取る側の家族背景などで世話をすることができない。
最期の親孝行で何とか自宅で看取ってあげたい。と思っている看取る側の気持ちの時もあります。
共通認識必要
「看取る側」「看取られる側」両者の気持ちがスタートの時点で合致していないとなかなか自宅での看取りを行うことができないのです。その為には、日ごろから「死」について話すきっかけが必要となります。ある日急に医師から「延命の望みますか?」と聞れた時にどのように答えるか?元気なうちに話をしておきましょう。今では「エンディングノート」のようなさ「死」に向けての準備することについてまとめていることもあるので、家族で活用して話し合うこともいいでしょう。
自宅での看取りになる流れ
①入退院を繰り返す。
体調不良で入退院を繰り返します。(原因は様々であり、癌・肺炎・老衰など)
②積極的な治療継続するかの選択
このまま入院をして積極的に治療を継続するか?積極的な治療ではなく看取りメインの病院に転院をするか?自宅で療養するか?など複数の選択肢の中から選択をするように病院から提案されます。(各種色々な特色がありますので納得するまで聞きましょう)
③自宅での療養選択
退院に向けてあらゆる専門職が集結し自宅のでの療養方法について話し合いをし、退院となります。
④自宅での療養生活開始
③で集結した専門職が各々の専門性を発揮して、本人・家族が自宅での療養生活を継続でき、最期を迎えることができるように支援をしていきます。
関わる職種について
①往診医(居宅療養管理指導)
基本月2回の定期往診・緊急時に連絡し相談ができます。必要に応じて緊急の往診をしてもらいます。
②訪問看護師(24時間対応)
体調が安定しいるときは週一回来てもらうことが多く、体調が不安定になってきたら利用回数が増えていきます。訪問時に必要な医療的処置を往診医の指示により行います。
③介護支援専門員(ケアマネジャー)
各専門職の間を取り持ち情報の共有や家族・本人の希望の代弁者として相談業務を行います。介護支援専門員の作成したケアプランを元に各事業所が支援を開始します。
④福祉用具(福祉用具専門相談員)
ベッド・マットレス・車いす・入浴の椅子などを手配してくれます。
⑤薬剤師(居宅療養管理指導)
訪問の薬剤師です。往診医より処方される薬を自宅まで持ってきてくれ、服薬方法などの指導をしてもらいます。(家族が薬を取りに行ける状態であれば利用しないこともあります。)
⑥訪問ヘルパー(訪問介護)
入浴・排泄・食事・家事援助を支援します。家族の介護力のよっては利用する内容がまちまちになります。利用することになれば、家族・本人に触れることがかなり多くなっきます。
多職種連携
沢山の専門職が関わり自宅での療養をサポートしていくうえで必須なのが、専門職同士の連携となります。基本的には本人・家族を中心にしてケアマネジャーが間を取り持ち連携を取ることが多いですが、サービス事業所同士でも連携を取ることができるようになっておく必要があります。ヘルパーが訪問中に本人の状態が急変した場合など。訪問看護師に連絡をする必要があります。その為にも訪問看護師に情報を的確に伝えるために、医療的知識が必要になります。
まとめ
今回は自宅での看取りについて希望と現実について確認し、家族間での「死」についての共通認識の必要性についてみていきました。自宅での看取りには沢山の専門職が関わり連携を密に取っていく必要があり、医療職が沢山関わることが分かったかと思います。自宅での看取りをしていくうえで、医療的知識と介護職ならではの気づきなどが求められていきます。今後プロの介護職になるために、看取り介護で必要な知識・視点・技術も提供していきますので、一緒に学んでいきましょう。